子ども手当を本当に子供の為に使いたいなら〜教育資金〜

 もう12月ですね。いつも年末になると何だかあれもこれもしなきゃと気ぜわしい気持ちでいる方も多いのではないでしょうか。これが受験生のいる家の12月はそんな感じではありません。

 まずインフルエンザの予防接種を打たせて、それでも風邪や体調不良は大敵なので、健康にいつにも増して気遣い、それと同時進行で成績も気になる。勉強をちゃんとしているのかも気になる。受験する学校も決めたもののあれやこれやと心ここにあらずな毎日なのです。

 そして教育費の支出はとくに高校3年生から大学入学時にピークが訪れます。高3の春ごろから予備校や模試、受験料など次から次へと入り用が続き、そして幸いにも合格しました!となっても喜びも束の間「💮おめでとうございます」の通知と共に大学であれば、入学金、前期の授業料、施設拡充費など2週間ほどの短い期間で約100万円は準備しなければなりません。教育費の支払いはいつも待ったなしです。

 受験前から入学までに必要な費用は一番安い自宅から通える国公立でも約150万円、一番費用がかさむであろう下宿して私立では約250万円に達します。

 この教育費のピークに備える為に、できれば教育費は0歳から少しずつコツコツと長期間かけて準備していくことをおすすめしています。

 今教育費はほんの10年前と比べて様変わりしています。幼児教育の無償化や高校教育の無償化により、公的な子育て支援はだんだん手厚くなってきています。すでに再来年度からは多子世帯や理系の院生への給付や助成が決まっています。それでも大学進学時のピーク費用に備えるには子供が中学生になるまでが1番の教育費の貯めどきです。仮に子ども手当を0歳から中学卒業時まで貯めると198万円、同時に毎月1万円ずつ積み立てると約400万円貯蓄することができます。その積み立ても学資保険や、国債、低解約返戻金型保険、財形やつみたてNISAなどそれぞれのご家庭でいちばん手を付けやすい方法で、お子さんがまだ小さい方は明日からでも長期な目標に向かってすぐに準備を始めてください。

 でももしお子さんがもう中学3年生ぐらいになっていて、気がついたときには次から次へとお金の出ていくことばかりで、あまり大学進学用の貯金ができていないという方も少なくないでしょう。高校から大学卒業までかなり余裕のある家計の家でも出費の額が大きく、全てまかなうことが難しいのが本当のところです。

 足りない大学費用を用立てるには大きく3つの方法があります。一つ目は給付型(返す必要のない)奨学金、二つ目は貸与型(子供本人が社会人になってから返済する)奨学金、三つ目は親が借りる(国、民間の)教育ローンです。

 この時、間違えてはいけないのは、親が負担するのが当たり前と教育ローンを組むことです。親が借りるローンは借りた次の月から利息も付き、返済も始まります。一方、奨学金は利息のつかないものもあり、利息がつくものでも教育ローンより利率が低く、子供が学校へ通っている間は利息が発生しません。しかも返済は卒業してから半年後の10月から始まるのです。

 ですから大学費用を用立てる順番は、まず給付型の返済のない奨学金、次に貸与型の奨学金、最後に教育ローンの順番になります。給付型の奨学金は日本学生支援機構以外にも自治体や民間の企業、または大学にも色々な給付型の奨学金や学費減免、免除制度などがあります。お子さんが高校生のうちから学費がいくらかかるのか、希望する大学や学部に使える制度はないのか、親子でしっかり情報を集めて、チェックしておくことが大切です。このような奨学金には成績や本人のやる気の基準があり、このことが大学でしっかり学ぶということにとても良い影響があると思われます。多額の教育資金を全部できないことはおかしなことでも恥ずかしいことでもありません。正直話し合い、子供の希望の進路を全力で応援し、一緒に頑張っていくことが一番大事なのではないかと私自身は考えます。

 今日は教育費の準備についてお話ししました。お子さんが小さいうちから始める準備と大きくなってからできる方法は大きく違ってきます。それぞれのご家庭でできる方法で今日からでも始めてください。

 いずれにしても教育費は人生の三大支出の一つで、ここをしっかりコントロールすることが自分の人生にも大きく関わってきます。教育費を支払った後、何も蓄えがなくなった、子供に帰って迷惑をかけてしまうかもしれない老後の不安ばかり残ったということがないようにしていきましょう。

 

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