家を買いたいーと思う動機は人によって様々です。でも一番多いと感じるのは、結婚する、子供が生まれたなど家族が増えるタイミングで人はとても家が欲しくなってくるようです。
こんなに新しいテクノロジーや流行で目まぐるしく変わる世の中になっても、ある意味一種の呪縛のように家族と家はセットで幸せな人生の必須アイテムのように考えられています。
「あなたは何故家が欲しいのですか?」と問うと、「家賃に払っているお金で家を買った方が自分の物になるし、得だと思って‥」と言われる方が多いのですが、これは大きな誤解です。例えば10万円の家賃の中には大家さんが払う家屋や土地にかかる税金や火災保険料、マンションであれば、修繕積立金、設備品であるガス給湯器やインフラの買換え費用も全て込みのものなのです。自分の持ち家になると、これらの費用が全て維持費としてかかってきます。また住宅購入時にも仲介手数料、不動産の取得や登記費用、ローンの手数料や保証料など家本体の価格にプラス新築であれば約5〜7%、中古住宅なら10%ほどかかってきます。3000万円の物件を買うためには実際は約3300万円必要なのです。10万円の家賃なら330ヶ月、30年近く、好きなところで、維持費の負担もなく、借金なしで暮らすことができます。
それでも家を買うことは大きな意味があります。最大の理由は家族が安定することです。家を買うことで幸せな気持ちと、ここでこの家族で暮らしていく覚悟ができます。また老後住み慣れた町で、住むところに困らないのは大きな安心です。
もし今から家を購入するつもりで、まだ買っていないのなら、次の質問の答えを自分で考えて、想像することで、自分が買うべき家が見えてくると思います。
Q1 あなたの年齢と一緒に住んでいる家族と家族の年齢を教えてください
Q2 10年後、20年後、30年後、誰とどこで住んでいると思いますか?
Q3 あなたが75歳の時、金融資産はどのくらい残っていると思いますか?
まずQ1の質問ですが、あなたの現時点でのあなたとあなたの家族の人生の状況です。
そしてQ2の問いの答えでわかることは、もし今0歳だったお子さんは10歳、20歳、30歳になり、独立して家からいなくなって、広い家や庭が必要でなくなっているかもしれません。またもしかしたら、働く場所が変わったり、お子さんの進学先が遠かったり、どちらかの両親が助けが必要になってくる可能性もあります。
そして最後のQ3の答えからあなたがどんな家を買うべきななのかが明確にわかります。住宅ローンを払い終えても、それなりの金融資産が残っている方もおられるだろうし、定年後にも住宅ローンの残債を払っていて余裕がない人もいるでしょう。
75歳つまり後期高齢者になった時の金融資産が、その後の生活や施設に入らなければならないことになっても、余裕があるという方は、知り合いや友人が近くにいるとか、長く住んんでいて馴染みのある好きな「自分にとって価値のある」家を買うことができます。でももしあまり貯金は残っていないだろう、住宅ローンを払い終わったら、年金でカツカツかもーという方は必ず他の誰かが買いたくなる、借りたくなる「他の人にとっても価値のある」家を買う必要があります。それは安心を得るためにまた住み替えなければならなくなるかもしれないからです。
これはあくまでも私見ですが、特に女性にとって住む家が快適であることがそのまま幸せを感じるという事実はどんな新しい時代になっても変わらない気がします。
でも人生最大の買い物であり、人生最大の借金であり、人生の夢でもある住宅取得はその後の人生の浮沈にかかわってくる大切な決断です。 30年先日本の人口は約3000万以上人口が減ってくるという統計もあり、私たちの生活や不動産を取り巻く環境も大きく変化している可能性もあります。これから家を買う方はどうかと少し未来の事を想像してから自分達家族にとって一最良の住み方を選んで欲しいと願っています。